「弁護士の広告」について日本弁護士連合会が決めているルール

最近では、借金問題についての広告やテレビCMをよく見かけるようになりました。
しかし問題になっているのは、そのような広告で派手に宣伝しているために依頼者が損をしているというケースです。

広告宣伝費にお金を取られてしまうために、依頼者の要望に答えられない面がある・・
一目では分かりにくい広告のために、勘違いした依頼者が損をしてしまう・・
という場合もあり社会問題となってきました。

借金問題を解決しようとして弁護士に依頼したのに、悪徳弁護士のためにさらに負担を抱え込んでしまう・・というのはどうしても避けたいことです。

弁護士の広告は当たり前の時代ですが、その「広告の出し方」で弁護士の良し悪しをある程度見分けることができます。
そこで、このページでは日本弁護士連合会公式サイトの情報をもとに弁護士の広告規制についてのルールをご紹介します。
債務整理の広告についてのルール

  1. 報酬の計算基準を分かりやすく表示
  2. 面談する必要があることを表示
  3. 過払い金返還について誤解させない表示

報酬の計算基準を分かりやすく表示

弁護士が受け取る報酬について、明確な基準を分かりやすく広告に表示するというルールです。
広告では○○円と書かれていたのに、実際に申し込んでみると料金が加算されて結局は高くなってしまったということを避けることができます。

何を根拠として報酬が計算されているのか・どんな名前の報酬が含まれているのかを確認することが大切です。
弁護士が受け取る報酬の「種類と名称」はこちらから
債務整理事件処理の規律を定める規程(平成23年2月9日会規第93号) 第18条
弁護士は、債務整理事件に関する業務広告を行うときは、債務整理事件に係る報酬の基準を表示するように努める。


日本弁護士連合会 債務整理事件処理の規律を定める規程(PDF)

面談する必要があることを表示

弁護士は依頼者と面談することが必要であるということを広告に表示するという努力義務です。

債務整理の際に依頼者は弁護士と面談する必要があります。
面談なしでも債務整理可能・メールや電話で債務整理可能など、面談せずに受付可能であることを広告に表示している場合には注意が必要かもしれません。
債務整理事件処理の規律を定める規程(平成23年2月9日会規第93号) 第18条 2
弁護士は、債務整理事件に関する業務広告を行うときは、依頼を受けるに際して受任する弁護士と面談する必要があることを表示するように努める。


日本弁護士連合会 債務整理事件処理の規律を定める規程(PDF)

過払い金返還について誤解させない表示

過払い金についての広告はかなり多く見られます。
それだけ弁護士にとっては魅力的な案件でもあると言えます。

とはいえ過払い金請求だけでは不十分です。
他の借金を減らすことができなければ、借金問題を本当に解決したことにはなりません。

広告においても、過払い金だけさえすれば借金が解決するように誤解させるような表現は避けるということです。
債務整理事件処理の規律を定める規程(平成23年2月9日会規第93号) 第18条 3
弁護士は、専ら過払金返還請求を取り扱う旨を表示する等債務者が負担している他の債務の処理を行わずに過払金返還のみを行うことに不利益がないかのように誤認又は誤導するおそれのある業務広告を行ってはならない。(解釈適用)


日本弁護士連合会 債務整理事件処理の規律を定める規程(PDF)

このように、債務整理に関する広告についてのルールが決められています。

しかし日本弁護士連合会の公式サイトを見ると、これらは「努力義務」であって「努めること」という表現が使われています。
微妙なニュアンスになっています。
ですから、これらのルールを必ず守らなければいけないというものではないようです。
それらのルールから外れたとしても罰則があるというものでもないようです。

しかし依頼者側としては、これらの広告ルールに沿っている弁護士を選べば良いのではないでしょうか。
儲けだけを追求しているのではなく、依頼者の借金解決を第一にしてくれる弁護士である確率が高くなるでしょう。
債務整理についての広告に関してルールが決められている。
ルールは努力義務だが、ルールを守っている弁護士だと安心できる。

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